あなたの「利きあご」はどちらですか?
~片側噛みの弊害~
「利きあご」というのは聞きなれない言葉かもしれませんが、人には利き手や利き足があるように「利きあご」があります。今回は、「利きあご」も原因のひとつである「
片側噛み」のお話です。
例えば、ガムを噛む時、無意識のうちに噛んでいる方があなたの利きあごです。 利き手が右の人は、利きあごも右の人が多い傾向にあります。 利き手・利き足の関係に似ています。
そして、利きあごの方ばかりで噛むなど、
いつも同じ側で食べ物を噛んでしまうクセがある人が、今回、問題の「片側噛み」です。 専門的には「片側咀嚼」といいます。 片側噛みは利きあごだけが原因ではありません。
虫歯がある側では痛くて噛めない、欠けたり穴があって噛みにくい、などの理由からなることもあります。 噛み合わせが悪くて、
噛み合わせのよい方でばかり噛んでしまうという場合もあります。
片側噛みをしていると様々な弊害が出てきます。片側噛みでは、よく使われる一方の筋肉が引き締まり頬がピンと張ってきます。逆にもう一方の側は筋肉が緩んでしまりのない感じになり、
顔のバランスが崩れます。
歯並びにも歪みがおき、顎がカクカクと鳴ったり、口が開きにくくなる
顎関節症になることもあります。
さらに顎と首の筋肉は連動しているので、片側噛みを続けると首の筋肉が片側噛みの側の筋肉に引っぱらて、首が片側噛みの側に傾いてきます。その
ゆがみは肩、腰へと伝わり、姿勢も崩れてきます。
また首が傾いていると、寝るときも片側噛みの方を下にすると楽なので、いつもそちらを下に寝る「
眠りグセ」もついてしまいます。寝ている時も
片側の顎や顔にばかり圧力がかかるので、バランスはさらに崩れるという悪循環になります。
片側噛みを治す方法です。虫歯の場合は、治療して噛むことが苦にならない状態にまで戻してください。噛みグセについては、
左右均等に噛むことを意識することが大切です。
キシリトール入りガムを片側噛みの方に一つ、反対側に二つ入れ、小刻みに噛むと効果があります。
また、意識して
顎を大きく動かして噛むと良いといわれています。 大きく顎を動かして噛むと、舌本来の働きで、自然に食物が口の中を右に左に移動します。大きく顎を動かして食べると、逆に片側だけで食べる方が難しいほどです。
早い人なら数週間で効果が現れはじめます。 片側噛みの人も、そうでない人も左右バランスよく噛んで、バランスの良い引き締まった顔と正しい姿勢を目指しましょう。