入れ歯の悩み その2


今回は、入れ歯の悩みのなかでも痛み以外の悩みについてです。その代表的なものとしては、うまく噛めない、はずれてしまう、といったところでしょうか。
うまく噛めない:噛みきれない、食べ物を細かく砕くことができないといったことが多いようです。十分に噛めないで飲み込むと、内臓の負担が増えますし、やわらかい食べ物を好むようになってしまうと、よく噛むことによる脳の活性化・老化防止・生活習慣病の予防といった効果が期待できなくなります。うまく噛めない原因は、かみ合わせが多いようで、食べるときのあごの動きに合っていないことがあります。
はずれてしまう:これもかみ合わせが合っていないときや、部分入れ歯では金具が緩んでいる場合などに起こります。歯科医院で調整してもらうのがいいでしょう。総入れ歯の方で安易に入れ歯安定剤に頼るのはあまりお勧めしません。入れ歯安定剤を使うとその分厚みができ、かみ合わせが変わってきてしまいます。短期間の使用にとどめて、早めに歯科医院に行かれてください。
話しにくい:入れ歯をすると、声を出すための空気の流れが変わります。今までと同じようにしても、うまく発音できなくなることがあります。舌や唇も上手く使えなくなることもあります。総入れ歯では厚みが厚すぎると舌が動ける範囲が小さくなりますし、部分入れ歯でもバネが舌にあたってしまう状態だと発音しにくくなります。入れ歯の高さが高すぎても影響が出ます。歯科医院で調整できる部分は調整するとともに、正しい発音を取り戻すには、慣れやトレーニングも必要となってきます。焦らず取り組みましょう
口臭:多くの場合、入れ歯の材料にはプラスチックが用いられています。吸水性があり、汚れや細菌が付着しやすく、臭いなども吸着しますので、口臭の原因となりえます。さらに不潔な入れ歯をそのまま装着していると、入れ歯が触れている粘膜に炎症が起きたり、ばねをかけている歯がむし歯や歯周病になったりして、口臭が強くなることが考えられます。入れ歯のお手入れをしっかりとして、清潔な状態を保ちましょう。
入れ歯の悩みの多くは、解決できる可能性があります。歯科医師と行う調整や、地道なトレーニングなど簡単ではないこともありますが、よく食べ、よく話し、よく笑う という生活のため、あきらめないで取り組みましょう